――民営・安価で予算は960円――
■自民愛知県連前でしめやかに
中曽根康弘人民葬が10月17日に
名古屋市の自民党愛知県連前でしめやかに行なわれた。
人民葬は故人の意思をくみ、
960円の低予算で企画されたが、
自称葬儀委員長から葬儀の冒頭、
「実際には1056円かかってしまった」との
会計報告がなされると、
参加者からは「ナンセンス!」と厳しいヤジが飛んだ。
紅川ヒミコさんが別れのあいさつを行ない、
自称喪主の私が弔辞を読んだ。
■労組つぶしのための民営化
中曽根元首相はかつて、
「行革で大掃除をして、
お座敷をきれいにして、
そして立派な憲法を安置する」と語っていた。
そしてその悲願の実現のために国鉄の民営化に踏み切った。
この狙いを中曽根元首相は2005年のNHK『日曜討論』で、
「国労は総評の中心だから、
いずれこれを崩壊させなくてはならない。
それで総理大臣になったときに
国鉄の民有化を真剣にやった。
……民有化に一番反対していた国労は崩壊した。
そしたら総評が崩壊し、
社会党が崩壊した。
それは一念でやった」とあけすけに語った。
私は、
「小さい頃は日曜の昼は毎日、
国労ラーメンを食べて育ちました。
そして今、
あなたに『崩壊』させられた社会党に連なる、
小さな小さな政党に所属しています。
今から十数年前には、
あなたが制定した労働者派遣法の下で派遣切りされ、
ホームレス一時保護所に収容されることになりました。
あなた無しに今の私は無く、
もはやあなたの子であると言っても過言ではありません」
と、人民葬の喪主を務めた思いを語った。
■九千万円葬儀こそムダの極致
「国鉄に、専売公社に、電電公社ーー。
あなたは民営化に心血を注いだにもかかわらず、
『親の心子知らず』、
あなたの後継者たちは本日、
あなたの葬儀を9650万円も使って
国営化しようとしています。
その事に心を痛めた私たちは本日、ここに
中曽根康弘人民葬をこの様に厳粛に挙行いたしました」と
人民葬の意義を私は説明した。
■中曽根:我々の手で葬り去ろう
そして私は、
「あなたと、
あなたの残した新自由主義体制を葬り去る」という
葬送の決意を述べた後、
「あなたが
自らの所業に反省の弁を述べる事無く亡くなられたことを、
ここに深くいたむものであります」と弔辞を結んだ。
■中曽根氏と犠牲者らに黙とう
最後に、
人民葬の参加者らは午後2時10分に
1分間の黙とうを行ない、
中曽根康弘元総理の功罪と
その犠牲となった全ての人々とに思いを馳せた。
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