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イオンに流れる「赤旗の歌」

――酒井徹 自伝的短編小説――
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もう何年も前の12月の事です。
私はその頃、
謎の不眠に陥って、
その日は確か二徹後の三日目でした。
 
職場は、
イオンモールに出店している専門店の一つでした。
朝から何とか頑張ってはいたのですが、
途中で力尽きてトイレ休憩を頂きました。
 
その時、
イオンモールのトイレで、
あの「赤旗の歌」が聞こえてきたのです! 
私の気分は高まりました。
そして、
私は何か救いのようなものを感じて、
歌に合わせて歌詞をそっと口ずさみました。
 
  〽高く立て 赤旗を その影に 死を誓う
   卑怯者 去らば去れ われらは 赤旗守る
 
私は歌おうとしました。
けれども、
歌えないのです。
正確に言うと、
メロディーに合わせて歌詞を口ずさむことが
どうしても出来ないのです。
歌っても歌っても、
メロディーがズレていくのです。
 
いや、
「メロディーがズレていく」という発想が
そもそもおかしいのでしょう。
そういう時におかしいのは
イオンモールで流れているメロディーではなく、
自分の方に決まってます。
酔っぱらいの言い訳の様で見苦しいです。
 
私は早退を申請しました。
私が職場を退職したのは そのしばらく後でした。

これは、
私が以前、
イオンモールに入っている専門店に勤めていた時に
(ある一点を除いて)本当に有ったお話です。
 
若し、
このお話を読んで気になった方は、
下の二つの歌を聴き比べていただけますと幸いです。
 
【赤旗の歌】
 
【もみの木】
 
 
詳しくは↓をご覧ください。
 
【赤旗の歌(Wikipedia)】

by imadegawatuusin | 2021-12-06 23:29 | 文芸
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