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水内繭子『恋する子どもたち』について

――ほほえましくも、少し切ないお薦めBL――

本書は水内繭子さんの、
かわいく、ほほえましく、
少し切ないボーイズラブ漫画作品集だ。
中でも後半に収録されている、
「リトルエンゲージ」・「ミニスカート純情」・
「メッセージ」の3作品が特にお薦めだ。

■「リトルエンゲージ」
中学生の健治の学年に、
岡本史(ふみ)という男の子が転校して来た。
実は、
彼は健治の幼馴染で、
しかも「婚約者」だったのだ。

史は以前、
健治の家の近くに住んでいて、
二人は大の仲良しだった。
だがこのころ、
幼い健治は一つの大きな勘違いをしていた。
彼は史を、
ずっと「女の子」だと思っていたのだ。
そして、二人はこのような約束をしていた。
「大きくなったら
 けっこん
 しようね」と……。

■「ミニスカート純情」
「ミニスカート純情」は、
上記の「リトルエンゲージ」の続編だ。
健治の姉の手にかかり、
史は女装させられてしまう。
それを見た健治は
「すげー
 かわいい
 史」と目を輝かせるが、
史の想いは「少し複雑」である。

もちろん、
大好きな健治に
「すげー
 かわいい」と言ってもらえて
「悪い気は
 しない」。
けれど、
健治は史を、
ずっと女の子だと思っていたのだ。

そこで、
史は健治にさりげなく訊いてみた。
「どんな
 女の子に
 なってると
 思ってた?
 再会する
 まで」
「どんな
 女の子を
 期待してたの
 おれに」

それは、男である史にとって、
「本当は
 すこし
 こわい
 質問」だったのだ。

■「メッセージ」
本書に収録された作品の中でも、
ひときわ巧さの光る作品だ。

ボーイズラブ漫画は俗に「やおい」、
つまり、
ヤマもなく
イミもなく
オチもないなどと揶揄されることがある。
だが、本書にはかなり予想外の、
感動的な「オチ」が用意されている。

「ヤマ・イミ・オチ」を兼ね備えた、
実力派のボーイズラブ作品である。

《お薦めボーイズラブ漫画》
1.松山ずんこ『ピーターパンのこころ』
2.萩尾望都『トーマの心臓』
3.まんだ林檎『コンプレックス』

酒井徹お薦めの女装漫画》
1.やぶうち優『少女少年』シリーズ(Ⅰ~Ⅶ)、小学館てんとう虫コミックススペシャル
2.吉住渉『ミントな僕ら』全6巻、集英社リボンマスコットコミックス
3.志村貴子『放浪息子』エンターブレイン
4.なるもみずほ『少年ヴィーナス』全4巻、角川書店あすかコミックス
5.松本トモキ『プラナス・ガール』ガンガンコミックスJOKER

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【本日の読了】
水内繭子『恋する子どもたち』松文社(評価:4)



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by imadegawatuusin | 2006-09-13 21:01 | 漫画・アニメ