7時30分に寮の1階に集合の後、
トヨタ健康保険会館に健康診断に行く。
とはいえ、
実際には健康診断を受けている時間より、
待ち時間のほうが はるかに長い。
本か雑誌を持っていっておかないと、
本当にすることがない。
会社の方でもそれがわかっているのか、
健康診断の間を見ては、
ときどき従業員登録証の記入をさせたりする。
(僕は「保証人」の名前を書くところに自分の名前を書いてしまったり、
実家の住所を書くところに祖母の住所の番地を書いてしまったりして、
合計9つも訂正印を押すことになった)。
正午ごろに いったん寮に帰って食事をする。
しかし、皆さん食べるのが早い。
10分ほどの時間があれば当たり前のように平らげてしまう。
午後は元町工場で検診である。
ここは日本で歴史上初めての一貫性の自動車工場
(鉄板と部品を持ってくれば、
ここだけで自動車の完成品が作れてしまう工場)だそうで、
見学者も多い。
社会見学の小学生たちが、
バスの中から僕たちを見て手を振ったりする。
(なお、どうでもいいことであるが、
僕たちが検診を受けた元町工場の建物は、
防火責任者として建物の入り口に「金一成」と書いてあった。
「キム=イルソン」と読むのだろうか)。
すべての検診が終わり、
最後に「再検査」者の名前が読み上げられて終了である。
献身結果が産業医さんから知らされるまでの間、
担当の係の人は僕たちを大きな部屋に集めて雑談の中で、
「まぁ毎回このくらいの人数ですと、
60人くらいの再検査者が出るものですが……」などと言っていたが、
実際、読み上げられた再検査者の数が58人だったのには
正直驚いた。