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国際女性デー愛知県集会開催

――朝日新聞 竹信三恵子編集委員が講演――

■いまこそ「パンと権利と平和」を!
新日本婦人の会の愛知県本部や労働団体などが
「国際女性デー」の8日に
これを記念する愛知県集会を開催した。
およそ100名が参加した(朝日新聞3月8日)。

栄の名古屋市教育館で開かれた集会ではまず、
浜島ちか子 集会実行委員長(医労連)が挨拶に立ち、
国際女性デーの由来を説明した。
国際女性デーは1910年3月8日に
アメリカの女性労働者たちが
「パンと権利と平和」を求めてデモを起こしたのが
始まりである。
1975年には国連も この日を
「国際女性デー」として記念日とした。
浜島さんは、
「3月8日の国際女性デーは一年の闘いの出発点。
 暮らしと平和のために手をつなごう!
 アジアと世界の女性たちに
 この決意を伝えよう!」と呼びかけ、
集会挨拶を締めくくった。

続いて、
日本共産党元参議院議員の八田ひろ子さんが
来賓の挨拶。
「国際女性デーは、
 女性たちが『パンと権利と平和』を求めて
 立ち上がったことで始まりました。
 今朝の『しんぶん赤旗』には、
 『ILO 改善訴え:男性より低賃金・高失業率
  ~国際女性デー前に報告』という記事が載っています。
 国連・ILOの調査によると、
 働く女性の数は世界で増える傾向にあるけど、
 多くが男性より低賃金で劣悪な仕事に従事している。
 劣悪な雇用条件からの脱出なくして
 女性の経済的な自立なしと報告書は結んでいます。
 昨日、
 30代の女性から
 『二人目ができた』と相談を受けました。
 世界で最も豊かな日本で、
 結婚・出産・育児に、
 特に女性に非常な負担がかかってくるという現実があります。
 一方で男性は超長時間・超過密労働。
 果ては過労死。
 トヨタ過労死問題でも、
 妻の内野博子さんが訴えなければ、
 過労死が過労死とは認められませんでした。
 トヨタは内野さんに、
 残業代を半分以下しか払っていませんでした。
 世界の先進国で残業時間の上限が決まっていないのは
 日本くらいのものです。
 100時間の残業も野放し。
 不安定雇用も野放し。
 政治を変えてゆくことで、
 こうした現状を変える
 一つのきっかけができると私は考えています。
 政治を変えて、人間らしく生きたい。
 そのために私もがんばってゆく決意です」と
思いを語った。

その後、愛障協の磯崎さんが、
「『障害者自立支援法』で
 施設にとって障害者が商品となり、
 奪い合いが始まっている。
 定員数が1.5倍になった施設もある。
 障害者の人権保障や権利条約実現のため、
 みなさんと共に闘いたい」と連帯の挨拶。
新日本婦人の会の石谷さんも、
子供の医療費や妊産婦検診の無料化など、
女性が子供を産み・育てやすい社会づくりの必要性を訴えた。
そして、
日本母親大会実行委員会の安藤代表委員は、
2008年第54回日本母親大会
愛知県で開催されることになったことを報告。
「19年前、
 地域でいっぱいお母さんを誘ったあの思いをもう一度」と、
7月26日(土)・27日(日)日本母親大会への結集を
呼びかけた。

■「『賃金上げて税金払わせろ』胸張って言っていい」
休憩を挟んで、
本日の講師・朝日新聞の竹信三恵子編集委員が登場。
竹信さんは午前中金沢で取材をした後、
人身事故による列車不通に巻き込まれ、
集会への参加が危ぶまれていたが、
何とか講演に間に合った。
演題は
「日本株式会社の女たちは今~格差社会の中で」。
『日本株式会社の~』はバブル直後の1994年に
竹信さんが出した本のタイトルで、
当時は「もはや女性差別はなくなった」などと言われ、
あまり売れなかったと話を始めた。

確かにバブルで労働市場は広がり、
女性にも就職のクチ自体は
少なくなかった時代ではある。
しかし、その後 数年で状況は一変。
今日の話は
『日本株式会社の女たちは今』の
「格差社会バージョン」というわけだ。

格差社会となった今日は今日で、
「時給制の非正規雇用労働者に
 男も女もない。
 もう差別はないんだ」という言説が一部にある。
実際にはもちろん、そんなことはない。
(サンワスタッフ問題参照↓)。
http://imadegawa.exblog.jp/7515123/

なぜそのようなことが起きるのか。
竹信さんはまず、
社会の有り様を伝えるマスコミのあり方からして、
女性が1割しかいないという現状を
語るところから始めた。

そしてもう一つ。
差別が深刻性をもって
伝えられてはこなかったこと。
日本では、
一部の飢餓状態にある発展途上国のように、
男が食べ物を独占し、
女からバタバタと飢え死にしてゆくというような
深刻な社会構造は存在しない。
戦後は憲法でも男女平等が規定され、
男が外で仕事を、
妻が家事・育児・介護をタダで引き受けることで
福祉の金を節約するという社会構造が
『それなりに』機能してきたわけである。

竹信さんはこれを、
「丈夫で死なない男を一匹捕まえておきさえすれば、
 女はDVがあろうと何があろうと、
 とりあえず死ぬことはまずないだろうということ」
と表現する。
夫が金をくれている間は、
男女差別は社会問題化されなかったと
説明した。

しかし、低成長時代。
それすら怪しくなってきて、
女性は不安におびえている訳なのであるが、
考えてみれば、
元々昔から、
女は自分で金を稼ぐことが
難しかったわけである。

1980年代、
「女の時代」と言われた時代があった。
女性の社会進出が話題になった。
しかし、
その時代でも、
働く女性の3分の2はパート労働者だったのだ。
とても食べていけるような賃金ではなく、
「お小遣い程度」しかもらえない。
それでも問題にならなかったのは、
「夫が養えばいい」という発想があったからだ。
残りの女性正規職員も、
大半は出世や賃上げの見込みのない
「一般職」。
「総合職」でバリバリと働けたのは、
子供がいない・持たない人か、
「おばあちゃんという専業主婦」を持った女だけだった。

今の非正規雇用における安い賃金体系は、
女性差別の賃金体系がついに一部の男性にも
適用されはじめたということに過ぎない。
「養う男――めいいっぱい働く、
 養われる女――恵んでもらう」
を前提にして、
「女が自分で食べていく」という発想のない時代の賃金体系が、
そのまま男にも広がってしまったのが
今日の「格差社会」なのであって、
実は元々格差は存在していたのに、
それが『女にだけ』適用されていた間は
問題にされなかったというだけのことなのだと
竹信さんは喝破した。

「女の時代」80年代、
バリバリ働きたくてもまず保育園がない。
女は育児の合間に「パート」という形で
働かざるを得なかった。
こうして80年代にパート労働は急拡大。
「これは企業にとって
 とってもチャーミングなことだった」と
竹信さんは言う。
取材中の竹信さんに、
こんなことを言った企業経営者がいたというのだ。

  「女の時代っていいよね。
   優秀な、何でもできる女の人が
   時給800円で来てくれるんだよ。
   こんないい時代はないよね」。

女たちは短い期間で契約更新。
この日本では、
「解雇」というのは非常に厳しく制限されている。
なぜならそれは、
一家の大黒柱が失業し、
食っていけなくなることを意味するから。
が、
パート労働者は「もう契約しません」の一言で
実に簡単に事実上解雇できる。
何のことはない。
これはつまり、
今の「格差社会」における
非正規雇用労働者のあり方そのものである。
1995年には「派遣」解禁。
99年には原則自由化。
2004年には工場派遣までOKされてしまうに至る。

パートは、たとえ期間限定でも、
労働時間は短くても社員は社員。
労働者として会社ときちんと交渉ができる。
けれど派遣社員は派遣先の労働者ではない。
雇用主にとって、派遣先は「お客様」で、
なかなか頭が上がらない。
派遣先の「○○ちゃんはちょっとねー」の一言で、
いとも簡単に労働者が首を切られてしまうという、
ものすごく無責任な仕組みができてしまっている。

今、
正社員は「正社員」というだけで、
非正社員のまとめ役のような役割を担わされ、
「管理職」のような扱いを受けて
残業代も払ってもらえない。
サービス残業に追われている。
では非正社員はどうかというと、ビンボー。
これでは少子化が進むのも当たり前である。

「現在の格差とは、
 正規に潜り込んだ人と
 そうじゃない人の差であると考えれば
 ほぼ間違いない」と
竹信さんは言う。
そして、そこに福祉のあり方が
追い打ちをかけているというのである。

本来、格差の大きな社会になれば、
それだけ福祉でもって下支えをしていかなくては
ならないはずだ。
しかし小泉「構造改革」は、
歳出削減と称してまず福祉をビシバシ削った。

ワーキングプアの深刻化は
ライフスタイルにも表れている。
年収200万円台の男性で、
結婚しているのは20代で1割。
30代で2割。
これが年収の増額に従って、
7割から9割に上がっていく。
「結婚というのは実に現金な話だ」と
竹信さんは語った。
「正規に潜り込んだか潜り込めなかったかで、
 結婚できるかできないか、
 子供が持てるか持てないかも決まってしまう」と。

今まで女性は、
夫との離婚かリストラがなかったら、
人生を大過なく過ごすことができた。
でも、
今は離婚・リストラは当たり前。
夫が正規で長時間労働に駆り立てられていれば
DVも起こる。
非正規で金がなければサラ金のお世話にもなる。
離婚のタネは尽きない。
正規雇用でもリストラが行なわれるようになったし、
非正規はもともと「雇い止め」で簡単にクビが切れる。

実を言うと海外でも、
「男は仕事、女は家庭」という社会構造は
先進国では珍しくない。
これは日本だけの問題ではない。
例えばスウェーデン。
あたかも男女平等の国であるかのように言われているが、
1950年代までは徹底した男尊女碑の国だった。
ところが60年代の人手不足で
『女も』働く必要性が出てきた。
このときスウェーデンは
保育園・幼稚園を大量に作った。
「これは別に、
 スウェーデンの男が特別いい人だったり
 賢かったからではない」と
竹信さんは言った。
女が女性議員を増やし、
社会民主党に政権を執らせ、
新しく作った保育園・幼稚園には
女を大量に好条件で採用し、
女性も税金を払って社会的発言権を獲得するという
好循環を確立したからだというのだ。

日本では、
保育園の保母さんの給与水準は高くない。
これは元々「育児」が、
「タダが前提の『ヨメ労働』」であったからだと
竹信さんは見る。
だから女は税金も一人前に払えない。

「働いている女に税金を払える賃金を
 保障することが大切だ」と
竹信さんは繰り返す。
「日本の男はなぜ仕事にシャカリキなのか?
 それは、
 妻の仕事が不安定だから。
 自分がクビになると家庭が崩壊してしまうから」と
竹信さんは言う。

いま、労働分配率が下がっている。
外国に車を売ってトヨタは大もうけをしているが、
日本の中では売れてない。
車を買える給料がもらえる労働者が少なくなり、
内需・下請はヒーヒー言っている。
「だからみなさんは、
 自信を持って言っていい。
 『女にも賃金よこせ! 
  私に税金を払わせろ!』と」。
竹信さんはそう言って講演を締めくくった。

■最低賃金千円、男女差別撤廃など決議
集会は最後に、
最低賃金を時給1000円以上に引き上げること、
すべての職場から男女差別をなくすことなどを盛り込んだ
「日本政府への決議」と、
沖縄女子中学生暴行事件への抗議などを含む
「アメリカ政府への決議」との2つの決議を採択。
新日本婦人の会の安藤万寿江さんの
「さらに仲間を広げてまた来年お会いしましょう!」
という閉会の挨拶のあとパレードへと移り、
沖縄からのアメリカ軍基地の撤廃、
守山への空中給油機配備反対、
消費税増税反対、
30人学級の実現などを訴えて
名古屋の街を練り歩いた。

【参考記事】








全世界の女性たちとの連帯で、
なくせ貧困、許すな格差! 国際女性デー万歳!

次は3月23日(日)午後1時、男女共同参画社会の実現に向けて!
シンポジウム・「同一価値労働同一賃金の実現のためのILOへの旅」
主催:ワーキング・ウイメンズ・ネットワーク
    (Tel & Fax:06-6941-8700)
共催:女性ユニオン名古屋(コミュニティユニオン東海ネット加盟)
会場:つながれっとNAGOYA(地下鉄・JR鶴舞駅下車)

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by imadegawatuusin | 2008-03-09 21:32 | 男女共同参画
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