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NFU組合員、角文グループTSSを提訴方針

――トヨタ系部品メーカー派遣社員中途解雇で――

■背景には偽装請負
アイシン精機ジェイテクトなどトヨタグループ企業
下請け会社・コーリツ(愛知県刈谷市、角岡昭典社長)の意向で
日系ブラジル人派遣社員
雇用期間途中に解雇された問題で、
愛知県の個人加盟制労働組合名古屋ふれあいユニオン
4月25日、弁護士を交えて打ち合わせを行ない、
角文グループの人材派遣会社・
トータルサービスシステムズ(代表取締役:鈴木民也)を
提訴する方針を決定した。

提訴するのは
知多市在住の日系ブラジル人男性・
デ=モラエス=フランクリン=アキヒトさん(33)。
フランクリンさんは2006年11月、
角文グループの「業務請負」会社・ベルテックを通じて
コーリツに就労。
入社にあたっては
コーリツの職制による「テスト」があり、
「長く勤めてほしい」との言葉をかけられたという。

ベルテックとコーリツの関係は、
典型的な偽装請負そのものだった。
コーリツ社員の指揮命令のもと、
ベルテックをはじめとする複数の「請負会社」の社員が
働いていた。
以前、
派遣会社で担当者をしていたこともあるフランクリンさんは、
「これは『請負』ではなく『派遣』ではないですか」
と尋ねたが、
上司は口を濁すばかりで
はっきりとは答えなかったという。

しかしその後、
アイシン精機などトヨタグループは
下請企業に対し、
労働者の社会保険への加入徹底の働きかけを強めたことから、
ベルテックはトヨタ系労働者の部分を
同じ角文グループの「トータルサービスシステムズ」に移籍。
(しかし、両社の住所や代表取締役は全く同一)。
フランクリンさんをはじめとする
コーリツ勤務の偽装請負労働者らは、
07年1月、
そのままトータルサービスシステムズの派遣社員として
雇い直され、
社会保険にも加入できるようになった。

ところが同年4月、
コーリツの上司が代わったころから、
突如として生産数を上げるように言われるようになる。
それまで1日370個作っていた自動車部品を、
450個作るようにとノルマが課された。
そしてそのノルマを達成するため、
生産用機械の速度を、
規定の110パーセント~120パーセントにまで
上げての生産を強いられた。

「私は機械の使い方を習ったときから、
 速度は100パーセント以上で使ってはならないと
 教えられてきた。
 120パーセントの速度で動かせば、
 確かに数は多く作れても、
 いい品質の物はできない」とフランクリンさんは拒否。
その結果フランクリンさんは、
「生産が間に合わない」として
2007年9月30日までの雇用期間を約4ヶ月残し、
6月6日、解雇されてしまったのだ。

フランクリンさんから相談を受けた
名古屋ふれあいユニオンの平良マルコス副委員長は、
労働基準法に基づき、
30日分の解雇予告手当の支給を
トータルサービスシステムズに求めた。
しかしTSS側は、
フランクリンさんに30日間の「休業」を命じ、
その間 賃金の60パーセントのみを支払い解雇するという
脱法的な手口をもってこれを拒否。
トータルサービスシステムズ側のあまりに不誠実な対応に
名古屋ふれあいユニオンは、
民法628条の規定に基づき、
雇用期間である9月30日までの賃金の支払いを求めたが、
トータルサービスシステムズは
一切これに応じようとしなかった。

労働争議は愛知県労働委員会の斡旋に付された。
ここでは労働委員の先生方より
再三にわたって
トータルサービスシステムズ側への説得が
行なわれたというが、
会社側は我がユニオンの法に基づく訴えを拒絶し、
労働委員会における斡旋は決裂した。

以上の経過を聞いた
名古屋共同法律事務所の森弘典弁護士は、
「入社からその後の経緯を聞くと、
 9月30日までの雇用期間の賃金請求権はもとより、
 その後の更新期待権をも主張できる可能性がある」と回答。
フランクリンさんは提訴に踏み切る覚悟を決めた。

当初、労働基準法の最低基準である
たった1ヶ月分の解雇予告手当の支払いすら渋った
角文グループ・トータルサービスシステムズは、
重いツケを支払うことになるだろう。

名古屋ふれあいユニオンは、
平良マルコス副委員長を先頭に、
ここ愛知県において
日系ブラジル人労働者の組織化を進め、
外国人労働者の権利拡大のために奮闘してきた。
トータルサービスシステムズに限らず、
愛知県内の外国人派遣会社の中には、
労働法の基本中の基本すら知らない
えげつない会社が少なくない。

フランクリンさんは、
「これは私一人の問題じゃない。
 今までひどい辞めさせられ方をして
 諦めるしかなかった人がいっぱいいる」と語っている。
こうした、
一人一人では弱い立場の労働者の声をすくい上げ、
悪質な企業にはしっかりとお灸をすえてゆく。
私たちコミュニティユニオンの社会的使命は、
きっとそういうところにあるのだと思う。


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by imadegawatuusin | 2008-04-25 17:36 | 労働運動