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NFU組合員、不当解雇で角文系TSSを提訴

――労働委員会斡旋決裂! 舞台は法廷闘争へ――

■日系ブラジル人労働者、法廷闘争に立つ!
アイシン精機ジェイテクトなどトヨタグループ企業
下請け会社・コーリツ(愛知県刈谷市、角岡昭典社長)の意向で
日系ブラジル人派遣社員
雇用期間途中に解雇された問題で、
愛知県の個人加盟制労働組合
名古屋ふれあいユニオン組合員の当該労働者が
6月6日、不当解雇を理由に角文グループの人材派遣会社・
トータルサービスシステムズ(代表取締役:鈴木民也)を
名古屋地裁岡崎支部に提訴した
(6月7日毎日新聞中日新聞日本経済新聞)。

提訴したのは
知多市に住む日系ブラジル人男性・
デ=モラエス=フランクリン=アキヒトさん(33歳)。
フランクリンさんは2006年11月、
角文グループの「業務請負」会社・ベルテックを通じて
コーリツに就労。
入社にあたっては
コーリツ人事部門の係長・班長によるによる事前面接があり、
日本語やノギスの使い方・計り方についての「テスト」のあと、
コーリツの係長から
「長く勤めてほしい」との言葉をかけられたという。

■背景にトヨタ系下請企業での偽装請負
ベルテックとコーリツの関係は、
典型的な偽装請負そのものだった。
コーリツ社員の指揮命令のもと、
ベルテックをはじめとする複数の「請負会社」の社員が
コーリツ本社工場で働いていた。
以前、
派遣会社で担当者をしていたこともあるフランクリンさんは、
「これは『請負』ではなく『派遣』ではないですか」
と尋ねたが、
上司は口を濁すばかりで
はっきりとは答えなかったという。

しかしその後、
アイシン精機などトヨタグループは
下請企業に対し、
労働者の社会保険への加入徹底の働きかけを強めたことから、
ベルテックはトヨタ系労働者の部分を
同じ角文グループの「トータルサービスシステムズ」に移籍。
(しかし、両社の住所や代表取締役は全く同一)。
フランクリンさんをはじめとする
コーリツ勤務の偽装請負労働者らは、
07年1月、
そのままトータルサービスシステムズの派遣社員として
雇い直され、
社会保険にも加入できるようになった。

ところが同年4月の人事異動にともない、
コーリツの上司が代わったころから、
フランクリンさんは突如として
生産数を上げるよう言われるようになった。
それまで1日370個作っていた自動車部品を、
450個作るようにとノルマが課された。
そしてそのノルマを達成するため、
生産用機械の速度を、
規定の110パーセント~120パーセントにまで
上げての生産を強いられた。

「私は機械の使い方を習ったときから、
 速度は100パーセント以上で使ってはならないと
 教えられてきた。
 120パーセントの速度で動かせば、
 確かに数は多く作れても、
 いい品質の物はできない」とフランクリンさんは語る。
するとフランクリンさんは、
「生産が間に合わない」などとして
2007年9月30日までの雇用期間を約4ヶ月残し、
6月6日、解雇されてしまったのだ。
解雇に先立ってフランクリンさんに
会社から注意や指導が行なわれたことはなく、
解雇に当たっても
フランクリンさんから言い分を聞こうとの姿勢はみられなかった。
このような乱暴な解雇が是認されれば、
派遣先が自社の雇用する労働者ですらない派遣労働者を
恣意的な理由で解雇することが可能となり、
同様の事例が大手を振ってまかり通るようになってしまうだろう。

■非常識な対応に終始した会社側
フランクリンさんから相談を受けた
名古屋ふれあいユニオンの平良マルコス副委員長は、
労働基準法に基づき、
30日分の解雇予告手当の支給を
トータルサービスシステムズに求めた。
しかしTSS側は、
フランクリンさんに30日間の「休業」を命じ、
その間 賃金の60パーセントのみを支払い解雇するという
脱法的な手口をもってこれを拒否。
トータルサービスシステムズ側のあまりに不誠実な対応に
名古屋ふれあいユニオンは、
民法628条の規定に基づき、
雇用期間である9月30日までの賃金の支払いを求めたが、
トータルサービスシステムズは
一切これに応じようとしなかった。

労働争議は今年3月、
愛知県労働委員会の斡旋に付された。
ここでは労働委員の先生方より
再三にわたって
トータルサービスシステムズ側への説得が
行なわれたというが、
会社側は我がユニオンの法に基づく訴えを拒絶し、
労働委員会における斡旋は決裂した。

以上の経過を聞いた
名古屋共同法律事務所の森弘典弁護士は、
「入社からその後の経緯を聞くと、
 9月30日までの雇用期間の賃金請求権はもとより、
 その後の更新期待権をも主張できる」と回答。
フランクリンさんはこの度、
解雇の無効と未払い賃金約415万円の支払いなどを
求める提訴に踏み切った。

提訴後、
名古屋地裁の記者クラブで会見を行ったフランクリンさんは、
「多くの日系ブラジル人労働者が、
 会社に一言クビといわれただけで
 『仕方がない』とあきらめてしまっている。
 労働組合のことなどをよく知って、
 間違ったことは正していこう」と呼びかけた。

■「話し合い途中の提訴」!? 笑わせるな!
トータルサービスシステム側は、
中京テレビの取材に対し、
「話し合い途中の提訴で困惑している」などと
コメントしたらしい。
「笑わせるな」と言ってやりたい。

この会社は名古屋ふれあいユニオンとの団体交渉では
労働基準法上の最低基準である
1ヶ月分の解雇予告手当すら支払おうとはしなかった。
愛知県労働委員会での「斡旋」でも、
労働委員の先生方に
散々訳の分からないことを言い倒して
今年3月に決裂させた。
その直後に1度だけ電話があって以来、
会社側はユニオンにも当人にも、
この間 何の連絡もよこさなかったのである。
それから一体何ヶ月が経過したと思っているのか。
自分たちが提訴された途端、
突如として「話し合い途中の提訴」などということを
いけしゃあしゃあと言い出せる面の皮の厚さには
もはや感心するほかない。

当初、労働基準法の最低基準である
たった1ヶ月分の解雇予告手当の支払いすら渋った
角文グループ・トータルサービスシステムズは、
結果、はるかに重いツケを支払わされることになりそうだ。


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by imadegawatuusin | 2008-06-08 21:41 | 労働運動