豊田協同組合・TMC、ベトナム人実習生らに和解金

――「トヨタ2兆円」を支えた「時給300円の労働者」たち――

■「研修生」問題の流れを変えたTMC訴訟
トヨタ自動車の三次下請会社で働くベトナム人「実習生」6人が、
最低賃金以下で不当に働かされた上、
セクハラ・パワハラ・差別的言動など
度重なる人権侵害を受け続けたとして
受け入れ会社・TMC及び
受け入れ機関・豊田技術交流事業協同組合を訴えていた裁判で、
5月22日、
TMCと協同組合とが連帯して
原告たちに一定の和解金を支払うことで
ついに和解が成立した(朝日新聞6月13日)。

この裁判が始まるにあたっては2007年2月、
名古屋労災職業病研究会を中心に、
名古屋ふれあいユニオン浅野文秀委員長(当時)や筆者を含む
5団体・10個人によって
「TMCのベトナム人実習生6人の裁判闘争を支える会」が結成され、
後には団体としての名古屋ふれあいユニオンも会員となって
彼女たちの裁判闘争を支えてきた。

このたび裁判闘争が和解に至ったことを受け、
TMC裁判に全国から寄せられたご支援・ご注目に
心から感謝の意を表したい。
「支える会」はTMC裁判の報告会を、
7月5日(土)14:30~16:00、
名古屋労災職業病研究会事務所にて予定している。

外国人「研修生」・「実習生」から
労働相談を受ける活動に身を置くものとして、
このTMC裁判が愛知の労働現場に及ぼした影響の大きさを
最近特に感じている。

TMC訴訟の提訴前後までは、
愛知県下では本当に、
外国人「研修生」はもちろん、
法律上労働者性を持つとされる「実習生」すら、
最低賃金以下で働かされるのが「当たり前」というような状況であった。
しかしTMC訴訟が起こった後は、
さすがにメディアで大きく取り上げられたせいもあってか
あからさまに最低賃金を払わない企業は珍しくなった。
(もっとも、いったん法定最低賃金を払った上で、
 明らかに法外な「家賃」や「光熱費」を徴収するという形で、
 搾取の構造そのものは今も継続されている。
 いずれにしても、
 「外国人『研修生』・『実習生』には何が何でも
  最低賃金は払わない」という一部企業の姿勢には、
 今日なお何の変わりもないのであるが)。

原告女性6人は、
トヨタ車のヘッドレスト・アームレストの製造に従事していた。
「トヨタ2兆円」を底辺で支えてきた彼女たちの勇気が、
まさに当時の外国人「研修」・「実習」のあり方を揺るがし、
新たな局面を切り開いたのである。

私たち名古屋ふれあいユニオンは今、
TMC闘争後現れてきた「新たな搾取」の構造と対決すべく、
ベトナム人「実習生」たちの職場において組織化を進め、
いよいよ公然化に乗り出そうとしている。

引き続き、全国からの支援・注目をお願いしたい。


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by imadegawatuusin | 2008-06-13 02:49 | 労働運動