トヨタ系ジェイテクトに4回目の団交申し入れ

――1日も早い団体交渉の開催を――

■労組の要求に「法的な根拠」が必要なのか
愛知県の個人加盟制労働組合名古屋ふれあいユニオンは、
6月20日、
実に4回目の団体交渉の申し入れを
トヨタグループの工作機械メーカー・
ジェイテクト(旧豊田工機)に対して行なった。
名古屋ふれあいユニオンは、
ジェイテクトから5月31日付での「解雇予告通知」を受けた
日系ブラジル人組合員・Iさんの雇用問題に関する団体交渉の開催を
5月15日以来 文章で3たび要求してきたが、
団体交渉開始に向けた具体的な回答は
これまで1度も寄せられていない。
当労組組合員のIさんは
労組が会社との団体交渉を行なうことすらないままに
職場を追われた状態が半月以上も継続しており、
一刻も早い団体交渉の開催が必要なのだ。 

ジェイテクトは3通目の「回答書」の中で、
名古屋ふれあいユニオンの5月15日の要求書には
「解雇権の濫用・不当解雇」との趣旨が
記載されていたにもかかわらず、
5月28日の要求書では
「雇用継続」に趣旨が変わっていた、
要求内容が不明確であるなどと
しきりに論難して団交開催を引き延ばしている。
しかしそれは、
ジェイテクトが平成20年4月24日付で
Iさんに発した「解雇予告通知書」においては
紛れもなく「生産減に伴う人員調整のため」
「平成20年5月31日付で解雇」との表現を
用いていたにもかかわらず、
その後 名古屋ふれあいユニオンがIさんの加盟を伝え、
団体交渉の開催を要求した途端、
これを「雇い止め通知を実施したもの」と
突然 説明を変え出したため、
ユニオン側もそれに合わせて
要求の表現の方法を
修正せざるをえなかったということに過ぎない。
自分で説明を変えておきながら、
「労組の要求の趣旨が変わった」と難癖を付けるとは、
もう言いがかりとしか思えない。

名古屋ふれあいユニオンは1999年1月31日、
「不安定雇用労働者のよりどころ」とのキャッチフレーズを掲げ、
派遣・請負・パート・アルバイト・契約社員などの
不安定な雇用形態で働く労働者たちが
手を結びあい、助け合い、
共に雇用の安定を勝ち取るために設立された。
Iさんについても、
名古屋ふれあいユニオンの要求は
当初より一貫して雇用の継続に他ならない。
名古屋ふれあいユニオンは当該労働者の言い分を聞いた上で、
ジェイテクトの発した
「生産減に伴う人員調整のため」「解雇」との
「解雇予告通知書」を見た。
Iさんは元々
派遣会社・パーソンジャパン(代表取締役:安藤義孝)から
ジェイテクトに派遣されていた派遣労働者だったのであるが、
派遣法上の派遣可能期間を越え、
ジェイテクトへの直接雇用を勝ち取った。
パーソンジャパン時代の「就業条件通知書」を見ると、
同じ職場に配属されているはずなのに
通知書ごとに「派遣可能期間抵触日」が異なっており、
手にある限り最も新しい「通知書」にある「抵触日」を越えても
Iさんはジェイテクトに
直接雇用されていなかった。
派遣法上の派遣可能期間を過ぎてもなお
Iさんを派遣労働者として使い続けた会社が、
ひとたび「生産減」となるやいなや
「人員調整のため」に当該労働者を使い捨てるようなことが
許されても良いものなのかと
非常に憤りを感じたことは事実である。
「解雇」前に希望退職者を募った形跡もなく、
配置転換をはかった形跡も見えず、
当該労働者からは
外国人「研修生」と思われる外国人が
4月に職場に入ってきたとの情報も聞いて、
「あまりに乱暴な解雇・不当な解雇ではないのか」との疑念を抱き、
Iさんの雇用の継続のため、
ジェイテクトのやり方の横暴性・不当性を訴える趣旨で、
「解雇権の濫用・不当解雇」と我がユニオンは言ったのだ。

さらにジェイテクトは3通目の「回答書」において、
「弊社が継続雇用を実施しなければならない
 法的根拠を教示していただきたい旨お願いいたしました」が
ユニオン側から「上記の問いに当たる記載はなく」、
「弊社から貴ユニオンに質問いたしました内容は
 どのようになっていますでしょうか」と逆質問を仕掛けてきた。

何を勘違いしているのかは知らないが、
名古屋ふれあいユニオンは労働組合であって、
法律屋ではない。
労働組合は労働者の要求のあるところ、
法的根拠があろうがなかろうが、
職場の内外の働く者の団結を武器に
使用者と団体交渉に臨むのだ。
ひとたび労働者の間に賃上げの要求が巻き起こるならば、
労働組合は賃上げ交渉に臨むだろう。
『法的には』、
使用者は最低賃金を払ってさえいれば
何ら「違法」な部分などないのであるが、
それでも使用者は
労働組合との賃上げ交渉を拒むことはできず、
誠実にこれに対応しなければならない。
団体交渉を行なう前提として、
その要求の法的根拠を示せなどと言ってきた企業は、
はっきり言ってジェイテクトが初めてだ。
私たち労働組合を、
弁護士か何かと取り違えているのではないかと
非常に憤慨しているところである。

労働組合は、
労働者の要求を実現し、
経営者の横暴を規制するための組織である。
弁護士や行政などとは違い、
「法律最低限」の履行を求める機関ではない。
自らの組合に加盟する労働者のまっとうな要求については、
法律上の根拠があろうとなかろうと、
私たちは堂々と、
企業に、社会に要求を突きつけ、
情理を尽くして闘っている。
もしジェイテクトに、
「法律最低限」すら守れていない部分があるのだとすれば、
それは労働組合以前の問題だ。
労組などからの指摘を待つ前に、
自ら襟を正してゆくのが筋はないか。

■要求は一つ、根拠は労働者の要求である
ジェイテクトは3通目の「回答書」の中で、
「貴ユニオンが主張される
 『正しい』要求内容を事前に明確にしていただき、
 その上で団体交渉日時や場所などを設定いたしたいと
 回答しているの」だとうそぶいている。

これまでの申し入れでも述べてきたように、
名古屋ふれあいユニオンの要求内容は、
組合員・Iさんの雇用の継続であり、
その根拠は当該労働者の要求に他ならない。
すでに5月28日付の「団体交渉の申し入れ書」でも
明らかにいたしたとおり、
Iさんは今回の「解雇予告」に全く納得しておらず、
労働組合に結集し、
集団的労使関係の中での本件の交渉・解決を
求めている。
働く者の要求のあるところ、
労働組合は立ち上がるのだ。
法的根拠のあるなしなど
何の関係があるというのか。
(もし、
 Iさんの「解雇」・雇い止めが
 違法であるとの確たる法的根拠が現時点であるのなら、
 こちらが是非とも教えてほしいくらいである)。
Iさんに対して使用者として してきたことに
やましい部分がないのであれば、
ジェイテクトは正々堂々と団体交渉のテーブルに付き、
自社の見解をその場で明らかにした上で、
ユニオンの要求をはねつければよいまでの話である。
団体交渉という、
労働組合法で定められた労使交渉の場を、
書面でのやり取りをもって置き換えるようなやり方は
断じて許されるものではない。

■あらゆる理不尽を堪え忍んででも団交を!
3通目の「回答書」の中でジェイテクトは、
今回の件は豊橋工場に全て委任したと称し、
仮に団体交渉を開催する際、
場所は
「貴ユニオンと豊橋工場双方の中間地点を
 検討いたします」と言ってきた。
名古屋ふれあいユニオンは名古屋市中区金山にあり、
ジェイテクトは名古屋駅前ミッドランドスクエアに
本社を構えている。
(Iさんの雇用契約の締結相手は、
 「期間従業員労働契約書」にも
 「株式会社ジェイテクト」とはっきり記載されており、
 「豊橋工場」とは書かれていない)。
それを、
交渉権限を一方的に「豊橋工場」に委任しておいて、
その中間点に来いというのは
実に横暴な論理である。
もしジェイテクトが、
本件交渉権限を
ジェイテクトの組織たる
ジェイテクト徳島工場に委任した場合、
私たちはその中間点にまで
赴かなければならないのだろうか。
名古屋ふれあいユニオンは当初から、
株式会社ジェイテクトの名古屋本社宛に
一貫して団体交渉の申し入れを行なってきた。
その交渉権限を
ジェイテクトがどちらの部署に委任しようと
それはジェイテクトの勝手ではあるが、
その部署が「豊橋工場」となったのは
ひとえに「ジェイテクトの都合」に他ならない。
こちらがIさんの雇用主たる
株式会社ジェイテクトの名古屋本社に
団体交渉を申し入れているにもかかわらず、
ジェイテクトがジェイテクトの都合でその権限を
豊橋工場に委任したのである以上、
団体交渉のおりには
ジェイテクト豊橋工場の団交委員が
名古屋の側まで赴いてくるのが
筋というものだと思われる。
 
またジェイテクトは、
仮に団体交渉を行う際は、
自分たちが会場を一方的に指定すると宣言しながら、
会議室料金は折半だと
非常識な提案を行なってきた。

労組との団体交渉の前提として
「まず法的根拠を示せ」などとせまった
ジェイテクトのことであるから
今さら驚きもしないのであるが、
それにしてもこれは酷い。
名古屋ふれあいユニオンは
労働組合と経営側との団体交渉である以上、
ジェイテクトの会議室において開催するのが
原則であろうと考えてきた。
しかし、
団体交渉の円滑な開催のためなら
それのみに固執するつもりはなく、
もしジェイテクト会議室が業務上使用が難しいようであるならば、
いつでも名古屋ふれあいユニオンの事務所を
団体交渉会場として
提供する用意があったのだ。
しかしジェイテクトは2通目の回答の中で
先回りするかのようにそれを拒否。
「団体交渉が必要な場合には
 弊社にて貸し会議室を手配させていただきます」と、
自ら会議場所を指定する姿勢を見せながら、
3通目の回答においては
「会議室料金は折半」と言いだしたのだ。
トヨタグループの工作機械メーカーであるジェイテクトと違い、
日雇い派遣や期間社員・偽装請負といった非正規雇用労働者や
外国人労働者
最低賃金スレスレで働く外国人「実習生」などで構成される
名古屋ふれあいユニオンは、
非常に苦しい財政状況の中、
多くの組合員の献身的な協力で
ようやく成り立っているのが現状だ。
もしジェイテクトが豪華な会議室を指定し
その料金を折半、
団体交渉も10回、20回に及んだ場合、
名古屋ふれあいユニオンは、
組合員に団交会場への交通費すら
出せなくなってしまいそうだ。

しかし名古屋ふれあいユニオンは、
こうした多くの不満を堪え忍んででも、
まずは団体交渉の扉を切り開くこと、
トヨタグループの工作機械メーカーであるジェイテクトと
団体交渉権を確立することを最優先し、
ジェイテクトの提示したこうした条件を、
不満を大いに留保しつつも
受諾する用意があることを通告した。
団体交渉の時間や参加メンバー・交渉ルールなどについても、
一日も早い団体交渉の開催のため、
精一杯ジェイテクトの希望に沿うよう努力する。
ただ、
団体交渉会場の選定にあたっては、
くれぐれもこれ以上非常識なことだけはしないよう、
厳にお願いしたいところだ。

■労働者はすでにクビを切られている!
名古屋ふれあいユニオンはこれまで、
Iさんの「解雇」(雇い止め)が刻一刻とせまり来る中、
そして、
その日を迎え、
労組が団体交渉で取り上げる機会すら与えられないままに
Iさんが職場を追われてから今日まで、
ジェイテクトが5月27日付の「連絡書」で当方に伝えた、
「架電やファックス、面談の申し入れについては
 当面一切お断りいたします」との条件に
誠実に従い続けてきた
(かくいうジェイテクトは
 この「連絡書」をファックスでこちらに送りつけてきたわけだが)。
これはひとえに、
一日も早い団体交渉の開催を望み、
ジェイテクトの誠実な対応を期待してのものだった。
しかしジェイテクトは、
名古屋ふれあいユニオンの
労働組合法にもとづく3度にわたる団体交渉要求に対し、
一度たりとも具体的な団体交渉開始に向けた回答を
寄せることがなかった。
名古屋ふれあいユニオンの忍耐力にも
いよいよ限度というものがある。

名古屋ふれあいユニオンは、
この4通目の「団体交渉の申し入れ書」で改めて、
ジェイテクトに対する要求内容とその根拠とを
明らかにした。
名古屋ふれあいユニオンが現時点で知りうる限りの情報を
余すところなくこの申し入れ書には
記載したつもりである。
また名古屋ふれあいユニオンは、
団交場所や時間・参加メンバー・交渉ルールなどについても
最大限の譲歩を行なう意思をジェイテクトに伝えた。
もはやジェイテクトには、
これ以上名古屋ふれあいユニオンとの団体交渉開始を引き延ばす
一片の理屈も残されてはいない。

ジェイテクトは直ちに団体交渉に応じろ!
労働組合と話し合え!
団交引き延ばしは許さないぞ!

〔注1〕ところで、
Iさんへの「解雇予告通知書」にはあった豊橋工場の工場長名が、
ユニオンへの回答書には一切記載されていないのは
一体どういうことなのだろうか。
1通目の「回答書」にはあった「日付」も、
2通目以降は全く記載されなくなった。
名古屋ふれあいユニオンが送った
度重なる「団体交渉の申入書」を
ジェイテクトも
「5月15日付けの……」とか「5月28日付けの……」などと
呼び分けている。
そのジェイテクトが、
自らが発する「回答書」には
日付を付けようとしないのは
奇怪な話だと言わざるを得ない。
団体交渉の開始を巡る会社と労組のやり取りという事の性質上、
一体何月何日にどちらがどういう意思を示したのかということは
非常に重要な事項である。
ジェイテクトはユニオン側に、
「今後の連絡は双方の意思の正確さと慎重さを期するために
 郵送による文書にて行うことにいたしたく考えておりますので、
 家電やファックス、面談の申入れについては
 当面一切お断りいたします」と通告しているのであるが、
本当に、
連絡に「正確さと慎重さを期する」つもりがあるのなら、
せめてこうした「回答書」に
日付ぐらいは入れるものではないだろうか……。


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労働組合名古屋ふれあいユニオン
雇用形態や国籍に関わりなく、
愛知県下で働くすべての労働者が一人から加盟できる
地域労働組合(コミュニティユニオン)。
コミュニティユニオン全国ネットワーク
コミュニティユニオン東海ネットワークにも参加。
今年3月に開かれた第10回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
現在、組合員数約200名。
組合員は組合費月額1500円。
賛助会員(サポーター)は年会費5000円。
住所:〒460‐0024
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by imadegawatuusin | 2008-06-22 11:14 | 労働運動