イオス中村末広社長、ユニオン申入れに暴言連発

――団交申し入れ直後に労働者を解雇!――

■「団体交渉は暴力」などと組合否認
愛知県の個人加盟制労働組合名古屋ふれあいユニオンは6月25日、
弁当類製造会社・プリムイソベン(小林一茂社長)に勤務する
日系ブラジル人派遣社員・オガタ=タダユキさんに関する
団体交渉の申し入れを、
愛知県稲沢市に本社を置く派遣会社・
有限会社イオス(中村末広社長)に対して行なった。
実はユニオンの平良マルコス副委員長は前日に、
FAXにてイオスに対して団体交渉申し入れを行なっていた。
だがイオスの中村末広社長が
「FAXで送りつけてくるなど失礼だ」などと言ったため、
豊田スチールセンター愛知製鋼ジェイテクトなど
トヨタグループ3企業への抗議行動を終えたユニオン有志で
会社に対して直接申し入れを行なうことにしていたのだ。

ところがイオスの中村社長は、
平良マルコス副委員長が
FAXで団体交渉の申し入れを行った直後に
オガタさんを解雇。
今回の申し入れはそのような中で行なわれた。

申し入れの際イオスの中村末広社長は、
「団体交渉は暴力だ」、
「おたくらのやっていることは洗脳だ」など
あらん限りの暴言を繰り返した上、
イオス側が要求する書類などを提出すれば
団体交渉に応じるのかというユニオン側の質問に対しても、
「団体交渉などの形ではなく、
 裁判などの方法でやる」などと、
団体交渉そのものを拒絶するかのような言葉を口にした。

何やら大きな勘違いをしているようだが、
労使間の利害について話し合う団体交渉と、
法律上の是非を争う裁判所は全く役割の異なるものだ。
裁判所での争いは、
それが「違法かどうか」を争うもので、
「違法」でなければ労働者の訴えは門前払いされるだけだ。
それに対して労使の団体交渉では、
「違法かどうか」は全く関係がないのである。
1人1人が孤立した状態では
非常に弱い立場におかれている労働者が、
職場内外の仲間の団結を背景に、
使用者に対して要求の履行を求めてゆくのが
労使の団体交渉である。

申し入れの最後にイオスの中村社長は、
「私も事業を40年やっている。
 私は逃げるつもりはない」などと発言した。
労働組合法に定められた団体交渉の場から逃亡し、
単なる「違法か否か」を争う場である裁判所に
逃げ込むと言って恥じない姿勢とこの発言とは
いかなる整合性を有するのだろうか。

6月25日に手渡した団体交渉申入書に記された交渉事項は、
労働時間・休憩時間・本人に対する扱いなど
一般的な労働条件に関するものだ。
これをどうして裁判所にて争う事項だと
決め付けるのか。

労働組合が労働者の給料を上げてくれと要求して、
裁判所でやろうという経営者がどこの世界にあるだろう。
最低賃金さえ払っていれば、
給料などいくらであっても
『法律上は』違法なわけではない。
しかし労働組合に結集した労働者は、
職場の内外の団結をバックに、
使用者に要求の履行を情理を尽くして迫るのだ。
使用者は、
労働組合との団体交渉のテーブルに付くことを
拒否することはできない。
労働組合法は第7条にて、
「使用者が雇用する労働者の代表者と
 団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒」むことを
明確に禁じており、
使用者側の団体交渉拒否に対しては、
労働組合側に
労働委員会への不当労働行為救済申立などの権利を
保障している(労働組合法第27条)。
労組側の「口のきき方」など「礼儀」に関する部分を云々して
「団体交渉という方法ではやりたくない」などという
身勝手な理屈は通らないということを知るべきだ。
(イオスの中村社長は
 平良マルコス副委員長の書いた団体交渉申入書にある
 「名古屋」の「屋」の字が正確でないこと、
 言葉遣いに若干通常と異なる部分があることなどをあげつらい、
 「ここは日本だ」などとユニオンの側を罵倒した。
 法律云々以前の問題として、
 人間として言っていいことと悪いことが
 あるのではないのではないか、
 日系ブラジル人を主に雇用する派遣会社として
 一番大切なことを
 欠落させているのではないかとも思ったが、
 もはやこの会社にそのような人倫を
 期待しようとも思わない。
 私たちはむしろ、
 この「ここは日本だ」という言葉を、
 中村社長その人にそっくりそのままお返ししたい。
 ブラジルなどの諸外国ではどのようになっているのかは
 不勉強のため承知しないが、
 ここ日本国においては、
 「団体交渉はやりたくない」などという使用者側のわがままは、
 憲法上も〔第28条〕労働組合法上も
 絶対に認められないのである)。

私たち名古屋ふれあいユニオンは
個人加盟制の労働組合だ。
労働者の要求を実現し、
経営者の横暴を規制するための組織である。
弁護士や行政などとは違い、
「法律最低限」の履行を求める機関とは
最初から次元を異にしている。
労働組合が要求する、
労働組合法上の団体交渉は、
裁判や弁護士交渉に切り縮めることはできない。
むろん団体交渉において、
イオスが弁護士を同席させたいと考えるならそれはイオスの自由だし、
社員を何人出席させようとそれもイオスの自由である。

イオスは名古屋ふれあいユニオンを
「まともな労働組合かどうか分からない」などということを理由に
団交応諾を拒否したが、
こちらとしてもイオスが
「まともな会社かどうか分からない」という意味では
条件は同じだ。
FAXでの団体交渉申入書の受領を拒否し、
こちらにわざわざ会社まで出向かせておきながら、
出向いたら出向いたで「人数が多い」などと難癖を付けるやり方のどこに
イオスの「まとも」さがあるのだろうか。

ユニオンの側が
「普通の会社なら、すぐに団体交渉に応じますよ」と言ったことに対し
イオスの中村社長は、
「それはおたくの脅迫・威圧に屈したところだけだ」などと、
あたかも私たち名古屋ふれあいユニオンを、
脅し・たかりを生業とする暴力集団などと同列視するかのような
暴言に及んだ。
名古屋ふれあいユニオンはもとより、
労使間の真摯な話合いによって労働問題の円満な解決を図り、
もって安定した労使関係を構築しようと努力されている
圧倒的多数の「まともな会社」への侮辱である。

イオスはふれあいユニオンの団体交渉申し入れに対し、
何と警察に通報するという挙に及んだ。
団交拒否という違法行為を公然と示唆しながら、
なおかつ警察に通報しようというその発想は、
一体どこから出てくるのか。
労働者の要求を実現すべく、
非暴力を旨とし、
正々堂々と使用者・企業と立ち向かう私たち名古屋ふれあいユニオンは、
何らやましいところがないので、
警察を恐れる必要はどこにもない。
ユニオンは誠実に警察の事情聴取に協力し、
イオスのこの度の非常識な対応を
ありのままに説明した。
警察からは特段の咎めだてもなく、
私たちはイオスをあとにした。


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by imadegawatuusin | 2008-06-28 22:46 | 労働運動