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フィリピントヨタ労組連帯、トヨタ本社前行動

――「たとえ私を殺せても、労働者の団結はつぶせない!」――

■支援集会でエド委員長が演説
トヨタ自動車の現地法人・フィリピントヨタ社における
労働組合つぶしと233名解雇との撤回を求め、
日本の支援団体である
フィリピントヨタ労組を支援する会は15日、
愛知県豊田市にあるトヨタ自動車本社前で
抗議集会と本社申し入れ行動を行なった。

集会・申し入れ行動にはフィリピンから、
「政治的暗殺」の危機にさらされながら果敢に闘う
エド=クベロ委員長らが参加。
フィリピンではフィリピントヨタ労組組合事務所の近くに、
「政治的暗殺」で名をはせる
悪名高い第202歩兵旅団の分遣隊が駐留し、
エド委員長の周辺で不穏な監視の目が強まっていること、
関連企業のフィリピン矢崎総業では
すでに労働組合委員長が殺害されている実態などが
報告された。

エド委員長は演説の最後に、
「あなた達(=トヨタ経営陣)は
 私の命を奪うことができるかもしれない。
 けれど、
 フィリピントヨタ労働者の団結を破壊したり、
 よりよい労働条件を求める労働者の願いをうち砕くことは
 絶対にできない」と、
トヨタ自動車本社に向かって鋭く言明。
フィリピントヨタ社が労働組合との団体交渉に応じない限り、
最後の最後まで闘い続ける決意を
改めて明らかにした。

■交渉団入場、本社前での抗議続く
集会はその後、
エド委員長を中心に、
日本からは上部団体の全造船機械
支援する会、
トヨタの労働組合などからなる
本社要請・交渉団を選出。
交渉団を本社へと送り出した。

途中、ガードマンが一時入門を阻み、
正門前で要請書を受け取ろうという姿勢を見せたが、
「交渉団を中に入れろ!」
「嫌がらせをするな!」の大シュプレヒコールの前に、
ついにその入門を認めた。

交渉団が本社へと入っていく中、
正門前ではさらに抗議集会は続行。
筆者も、愛知県の地域労働組合の代表として、
トヨタ下請で働く、
アジアからやって来た外国人「研修生・実習生」
悲惨な労働実態を報告。
莫大な「保証金」を人質とされ、
職業選択の自由もなく、
朝から晩までドレイのように働かされて
最低賃金すら得られない。
「経営者に逆らえば強制帰国、
 保証金没収」という圧力のもとで、
あらゆる理不尽がまかり通る現状を語った。

これほどまでの理不尽を、
どうしてアジアから来た彼ら・彼女らは堪え忍ぶのか。
それは、
母国での労働条件はさらに過酷であるからだ。
まず何よりも賃金が低い。
なぜか。
ベトナムでも、中国でも、
フィリピンでも、
労働者自身の手によってまともな労働組合が
つくれないからだ。
たとえつくったとしても弾圧され、
つぶされ、
場合によっては命まで狙われるという実態が
あるからだ。

ここ日本、愛知における非道な外国人労働の実態と、
アジアにおける労働運動への弾圧は
表裏一体の関係にある。
日本においてモグラ叩き的に労働条件の改善を訴えても、
彼らの母国でひどい状況がまかり通っているならば、
たとえ「非道な労働条件」でも日本で働こうとする外国人労働者は
絶えることなく後から後から流入する。

だからこそ僕たちは、
日本企業がアジアで、
とりわけトヨタがフィリピンで行なっている
非道な労働組合つぶしを断じて許すことはできない。
アジアにおける労働組合つぶしを、
自分たち自身の問題として取り組んでゆかなければならない。
筆者はそのように訴えた。

続いてトヨタの子会社・日野自動車に、
製造業派遣最大手・日研総業から派遣されていた
ガテン系連帯の池田一慶さんもアピール。
エド委員長の演説内容に触れた後、
「雨の日も、風の日も、
 暑い日も、寒い日も、
 厳しいラインの中でトヨタの車を作り続けてきた労働者に、
 『自分は会社に暗殺されるかもしれない』なんて言わせる会社は
 サイテーだ!
 酒井さんが紹介した『外国人研修生』と比べれば
 私は3倍か4倍の賃金をもらっていたが、
 それでも年収が200万円になるかならないか。
 バカ高い家賃を引かれて、
 契約期間も終わってないのに
 『もう明日から来なくていい』と
 派遣先の一方的な都合でクビを切られる派遣労働者が
 続出している」と熱く語った。

■「席に、座った。報告できる事はそれだけ」
ここで、エド委員長ら要請・交渉団が
トヨタ自動車本社ビルから出てきた。
集会は拍手でエド委員長を迎え、
要請・交渉の報告を求めた。
だが、
エド委員長が語ったのは
次のような言葉であった。
「ありがとう。
 でも、残念ながら、
 私が みなさんに報告できることはほとんどない。
 総務部の、総務課の、グループの、ヘッドという人が出てきて、
 私はその人と少しの時間 席に座った。
 私が報告できることは、
 ただ、これだけだ」。
事実上、門前払いに等しい対応である。

「彼は人形遣いの人形のようなもので、
 自分の意志で何かを話すということを全くしなかった。
 私が少し話をしただけで、
 席を立って出ていってしまった。
 私たちはトヨタの最高首脳と話をするために
 フィリピンから来たというのに」。

集会は参加者全員で、
トヨタ本社に向けてシュプレヒコールを、
そして日本・フィリピン労働者のさらなる連帯を願って
団結ガンバローを唱和して
行動を終えた。
トヨタはフィリピントヨタ労組と団体交渉を行なえ!
フィリピントヨタ労組233人の首切りを撤回しろ!


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市民団体フィリピントヨタ労組を支援する会
住所:〒237-0063 神奈川県横須賀市追浜東町3-63-901
TEL / FAX: 046-866-4930
電子メール:protest-toyota@list.jca.apc.org
ホームページ:http://www.green.dti.ne.jp/protest_toyota/
年会費
 個人: 一口 5000円
 団体: 原則として二口 10000円
(会費は、フィリピンに送金され、
 現地の裁判闘争費用、保釈金、
 組合事務所の経費、組合の行動費等に使われます)。
郵便振替口座: 00290-7-60036
加入者名: 「フィリピントヨタ労組を支援する会」

by imadegawatuusin | 2008-09-15 14:38 | 労働運動
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