トヨタ下請けで働く日系ブラジル人の実態

――デンソー系「アンデン」でのケースを中心に――

9月20日、
現代労働負担研究会が名古屋市金山の愛知労働会館で
「トヨタの働き方研究・交流集会」を開催し、
名古屋ふれあいユニオン平良マルコス副委員長が
「トヨタ下請けで働く日系ブラジル人の実態」
と題する発表を行なった。

その要旨は以下の通りである。


《平良マルコス副委員長の報告》
■労働組合の力で解雇撤回・職場復帰!
名古屋ふれあいユニオン副委員長の
平良マルコスです。
今日はトヨタグループ企業・デンソー
グループ会社である「アンデン」で働く
日系ブラジル人の労働者のことを中心に
お話ししたいと思います。

アンデンの中には今、
350人ぐらいのブラジル人が、
「トゥエンティファースト」などの業務請負会社を通じて
働いています。
きっかけはここで、
一人の日系ブラジル人女性が
解雇されたことでした。
彼女は名古屋ふれあいユニオンに入って、
解雇撤回を強く要求しました。
すると解雇は撤回され、
職場復帰することができたのです。

彼女は職場に戻り、
職場のみんなに名古屋ふれあいユニオンのことを
話しました。
それがきっかけで、
どんどん口コミで噂が広まり、
一人、また一人と労働組合に入ってきました。
彼らは、
労働組合にそのようなことができるとは
思っていませんでした。
だから、
解雇撤回・職場復帰と聞いて
本当に驚いたのです。
ブラジル人は日本の法律を知りませんから、
日本人とかブラジル人の管理者から、
「明日から来なくていい」と言われてしまったら、
すぐにあきらめてしまうのが
今まで普通だったんです。

その半年後、
また解雇事件がありましたが、
またユニオンに入って解雇撤回が実現しました。
そこからまた広がって……。
現状では、
そろそろアンデンの中だけで
組合員が60人ほどになりそうな勢いです。

■組合結成で有休が取れるように
以前は、
有給休暇を使うなんてことは
とてもできなかったことでした。
でも、労働組合ができて、
それができるようになりました。

有給休暇の申請の仕方についても
会社と交渉しているところです。
会社は
「有給休暇は月に1回だけ」とか、
「月・金は使ったらダメ」などと主張しています。
月曜日と金曜日は忙しいうえに、
欠勤者が多いからだというのです。
そういった人たちのせいで、
まじめに働いている労働者のほうが
有給が使えないというのはおかしいです。
自由に有給休暇が取れるように、
会社にプレッシャーをかけていきたいと思っています。

■「健康は別にいいです」ではダメ!
一方で、
そこで働くブラジル人の考え方にも
問題が多いのは事実です。
日本に来ても一般に、
ブラジル人は「ブラジル人の考え方」で
働いているのです。
私は、
労働者にとって何よりも大切なのは
健康だと思います。
ところが多くのブラジル人は、
「健康は別にいいです」と言うのです。
日本でたくさんお金を稼いで、
国にお金をたくさん持って帰ることだけを考えます。
体のことは考えません。
「あとで倒れたらどうするのですか」と聞くのですが、
そのことは考えないのです。
頭にあるのは「まずお金」。
でも、
お金のことばかりを考えて
健康のことを考えないのは間違いです。
体調管理も大事なことだと思います。
私は労働組合活動の中で、
ブラジル人の労働者たちに
「正しい働き方」を教えていきたいと思っています。

■職場にコミュニケーションを!
ブラジル人の働く職場で、一番問題なのは
コミュニケーションが不十分だということです。

上司や日本人は
通訳を使って労働者に話をします。
けれど、
この通訳が本当にちゃんと通訳をしているのか、
日本人の側も、ブラジル人の側も、
確認することができません。
会社に雇われている通訳の中には、
会社が言うことを労働者に伝えることだけが
自分の仕事だと思っている人がいます。
こういう通訳は、
労働者が困っていることを
会社に伝えようとはしないのです。
遅刻や欠勤があったときも、
労働者本人はきちんと会社に伝えたつもりなのに、
会社からは「無断欠勤」だと言われることがあります。
通訳を通さなければ会社と話ができないことで、
会社にうまく話が通らなかったりします。

こうしてコミュニケーションが不十分であるとき、
困るのはいつも労働者のほうです。
なぜなら会社は強い立場で、
労働者は弱い立場だからです。
うまくコミュニケーションをとることは
労働者にとってとても大切なことです。

製造業で働くブラジル人は、
危険な作業に従事することも多いです。
ブラジル人は通訳がいなければ、
日本人から日本語で指示されることもあります。
本当は、
日本人の言っていることがわからなければ、
「わかりません。もう一回説明してください」と
言わなければいけません。
でもブラジル人は、
そんなことを言って、
「こいつはできない労働者だ」と日本人に思われて、
クビになることを恐れています。
会社には、
「私はできる労働者です」というところを
いつも見せなければなりません。
だから、
あまり言っていることがわからなくても、
「ハイ、わかりました!」と言ってしまいます。
でも、
実はわかってないのです。
不十分なコミュニケーションのまま作業をして、
手を失ったり指を失ったりするのです。
わたしは、
指示の内容がわからないときは
「わかりません。もう一回説明してください」と、
キチンと言える職場、
コミュニケーションが十分に取れる職場を
作っていきたいと思っています。
それだけで、
ケガをしたり労災になったりする労働者は
とても少なくなると思うのです。


職場の理不尽を許さない、強く優しい地域労組の建設を!
愛知県下の未組織労働者は名古屋ふれあいユニオンに結集し、
愛知県に人権労働運動の灯をともそう!



労働組合名古屋ふれあいユニオン
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コミュニティユニオン全国ネットワーク
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今年3月に開かれた第10回定期大会では、
連合産別・全国ユニオンへの加盟について討議するとする活動方針を採択。
日ごろから組合員の学習会や交流会・相談会などを
積極的に企画しながら活動している。
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by imadegawatuusin | 2008-09-22 19:21 | 労働運動